【自己防衛】ウイルスと消毒とあれこれ

免疫

人類史はウイルスの存在なしでは語ることができません。その証拠は、私達を形作る生命の設計図である遺伝子にも刻み込まれていて、人間の遺伝子の約8%がウイルス由来と言われています。

とは言ってもコロナウイルスをはじめ、病気の原因となりうるウイルスには極力感染したくないものです。昨今のパンデミックの様相から、感染予防のための消毒はどこにいても当たり前になりました。

感染の予防方法や、私達の身体が備えている防御機構などを、あらためて確かめてみましょう。

誰でもできる感染予防

夏の蚊に刺された後のかゆみのように「あ、今ウイルスが入ってきた!」と気が付けたらすぐに対応できますよね。でも、実際はそうもいきません。私達がウイルスを認識するタイミングは、感染してしばらく時間が経ってからです。

ウイルスに感染して日数が経過して、体に炎症、倦怠感や発熱などが表れてから「あ、体調が悪い?」と私達はやっと認識をします。

ウイルスに感染しないように、発症しないために、また発症しても軽い症状ですむために、私達ができることは何でしょうか。まずは 誰でもできる感染予防法 をメリットとデメリットを合わせて紹介します。

手洗い

手洗いは最も手堅い、そして誰でもできる感染しないための予防方法です。

以前紹介した本『感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた』の中で、ウイルス感染制御を専門とするドクターは手洗い、うがいを推奨していました。生活する上であらゆるモノに触る手は、ウイルスを仲介する可能性が高い箇所です。

日常生活における医大生56名の手洗いについて、調査論文が掲載されていました。調査した全体の平均ではありますが、1日8回ほど手を洗っていました。その頻度からか、アンケートに対して全体の約70%が手荒れを訴えていました。また、この調査結果では石鹸を使用した30秒の手洗いで、菌の減少があることを報告していました。大学教育ジャーナルより

あくまで医大生の日常生活からの目安を紹介しました。手洗い回数は生活環境に応じで異なるので、8回を目安にしなくて大丈夫です。神経質に洗いすぎる必要はありません。

免疫 に関する本を何冊も読んでいると、皮膚に存在する有益な「常在菌」について知ることができます。これらの菌は私達の皮膚を弱酸性に保つことで、侵入してくる細菌やウイルスに対してバリアを張ってくれています。

常在菌とは

皮膚上に存在している常在菌は、皮脂(あぶら)などを食べる代わりに、皮膚を 弱酸性 に保ちます。「弱酸性ビオレ」という製品はご存じかもしれませんが、酸性に傾いている皮膚にはウイルスが侵入しづらくなるのです。

ただ、洗えば洗うほど、常在菌も一緒に洗い流されてしまうため、神経質に洗い過ぎるのは逆効果なのでご注意ください。

アルコール消毒

アルコール消毒は、今や挨拶の代わりとして、どこに行っても当たり前の消毒方法となっています。手洗い後の手の消毒等、食事に使うテーブル等のもの、あらゆるものがアルコール消毒の対象となっています。厚生労働省HPでは消毒に使うアルコールとして、濃度70〜95%のものを推奨しています。

記載文書の中に「手洗いがすぐにできない状況では、アルコール消毒液も有効です」という記載があります。外出先で常に手洗いができるわけでは無いため、アルコール消毒を求められる理由がわかります。そのため手洗いをきちんとしているなら、そこに必ずアルコール消毒を加える必要はなさそうです。

繰り返しますが、手先の消毒をし過ぎてしまうと、常在菌の バリア機能 を損ねてしまうことが懸念されています。

しかし、全てのタイプのウイルスに対し、アルコール消毒の効果があるわけではないことをご存じですか?

アルコール消毒とウイルスの種類

ウイルスの遺伝情報は、 タンパク質の殻 で包まれているカプセル状になっています。ウイルスは、遺伝情報を包む殻によって2種類に大別することができます。

  • エンベロープウイルス
  • ノンエンベロープウイルス

エンベロープとは膜のことです。アルコール消毒が有効なのは、エンベロープが存在しているタイプのウイルスです。エンベロープとアルコールが反応することで殻が破れ、中の遺伝情報にダメージを与えることができます。

ノンエンベロープウイルスはただのアルコールでは消毒ができません。このタイプのウイルスの消毒には、酸性アルコールと呼ばれるものが有効と言われています。酸性アルコールを含む製品には「手ピカジェルプラス」などがあります。

エンベロープ(膜)があるとアルコールに強いような気がしますよね。なぜ、ある方にアルコールが効くのかというと、エンベロープがウイルスの寄生していた宿主(生物の細胞)由来だからです。細胞の膜から作られたエンベロープは脂質も含み、アルコールによって崩れてしまうのです。ウイルスの増殖の仕方は前回の記事をご参照ください。

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冬に流行するインフルエンザウイルス、食中毒で話題にあがるノロウイルス、生活様式を変えるほどの影響を持つコロナウイルス、と様々なウイルスが溢れています。私たちに様々な症状を引き起こすウイルスとは、一体何なのでしょうか。正確な情報を提示するた...

ワクチン接種

消毒手法と共に、人類は1790年代の終わりから、未然にウイルス感染を防ぐワクチンの開発にも成功し始めしました。

ワクチンを一言でいうと、体に対して行う 事前学習 です。あらかじめ、体に対して「こういう病原菌が襲来する可能性があるから覚えておいてね」と提示して予習させておくのがワクチンの効果です。

1回かかった病気にはかかりにくいのは、体が原因となったウイルスや細菌を覚えるからなのです。特定のウイルスを使い、人為的に行う方法がワクチン接種となります。

自分を守る選択

手洗いやアルコール消毒は、自ら意識してひとりでも実施できる方法です。また、消毒の方法はウイルスや菌の性質を知ることで、その効果を高めることができます。

ワクチンはどうかというと、医者やワクチンの製造会社など、様々なものが関係してきます。ひとりでは実施することはできませんが、定期接種、任意接種と呼ばれるものがあります。副反応によるリスクもあるため、打つ打たないの判断は一応、個人に任されています。

どう判断していけば良いのか を考えていくため、偏りの無いように情報を精査したいと思います。次回の記事ではワクチンを推奨する立場の意見、否定する立場の意見が書かれた本を参考に考えていきたいと思います。

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