健口(けんこう)という言葉を初めて知る

健康

健康産業に関わる身として 食事の栄養バランスに関しては人一倍意識してきました。医薬業界の取引先と子供の食事に関する話をしていたところ、「食卓の向こう側〈第13部〉命の入り口 心の出口 (西日本新聞ブックレット)」という本を紹介されました。食事から栄養を取るときに欠かせないプロセスである咀嚼に関して、九州地域の実情がまとめられています。本では九州地域の情報のみを取り上げていますが、これは日本全体にも言える問題なのではないかと考えさせられました。

本の中では歯科医師たちによるディスカッションの様子や、咀嚼が虫歯の発生にも大きく関わることを示唆していたり、非常に興味深い内容が多くありました。

全ての食べ物は口を経由する

すべての食べ物が通る場所、それは私たちの栄養摂取の経路の始まりである口です。

食べ物を「口に入れる→咀嚼する→胃に送る…」咀嚼は食べ物をかみ砕き唾液とよく混ぜ合わせた状態にして胃に送ります。

柔らかい食品の副作用

手軽にとれるファーストフード、現代食において手軽に食べやすいものの代表格となっています。食べやすいということとその食品の柔らかさとは相関関係があることが指摘されています。

食べ物が柔らかくなると、咀嚼回数が減少してしまうことがデータとして提示され、その弊害が現代人には表れているそうです。「柔らかさ×咀嚼回数減少」のもたらすこと、それは歯につく歯垢の増加です。

動物試験において、同じ飼料(果物・野菜)を通常通り与えた群、ミキサーにかけた群と分けて1か月実験を行いました。その結果、ミキサーにかけた飼料を食べ続けた動物の歯には、たっぷりと歯垢がついていることが確認されました。

食べ物の柔らかさと虫歯のリスク

虫歯は甘い物(砂糖など)をよく食べ、歯磨きをしっかりしないことで罹患しやすいというイメージがあると思います。また、毎日歯磨きをしているにも関わらず虫歯になってしまったことがある方もいるのではないでしょうか。

興味深い事例として、モンゴルの住民の話が紹介されています。ファーストフードや砂糖菓子など、現代食を取り入れていない彼らは歯磨きをしないにもかかわらず虫歯がほどんどありません。硬い食べ物の摂取は、栄養補給だけでなく歯のブラッシングを兼ねていたのです。

咀嚼と消化の関連

よく噛むと唾液の分泌も良くなる、これは咀嚼による刺激を受けて唾液腺からの唾液分泌が促進されるためです。消化を円滑に行う事ができるように連動しています。

※唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、デンプン(炭水化物)の消化を手助けしています。

脳に○○を認識させる

早食いが良くない理由、それは「お腹いっぱい!」という胃の状態を脳が認識するまでにタイムラグを生んでしまう事にあります。脳が満腹を認識するまで余計に食べてしまいますね。

これはダイエットにもつながる話ですが、よく噛むという事は脳を満足させるためにも必要な行為になります。

グレリンという食欲を増進させるホルモンの分泌に関する論文データがあります。咀嚼回数15回と40回での比較で、咀嚼回数が多い方がこのホルモンが低下しやすいことが報告されているのです。つまり、よく噛むことが脳に 満腹 を認識するために効果があるということが示されています。

まとめ

栄養バランスを整えることは健康を維持するうえで欠かせないことです。多忙な世の中で手軽に摂取できる食品が重宝されがちですが、そのデメリットも考えなければならないのかもしれません。

「よく噛んで食べなさい」と、子供は親から教えられるかもしれませんが、大人はどうでしょうか。

咀嚼という当たり前の行為であり食べ物が必ず通る経路が、健康に大きく影響をもたらすという事を意識してみてもいいのかもしれません。

明日の食事の際、自分が一口で何回噛んでいるのか是非数えてみてください。

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